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第16回化学公開セミナー~環境にやさしい化学~

名古屋工業大学 生命・応用化学科 生命・物質化学分野では、2010年から所属教員の研究をやさしく分かりやすく紹介するため化学公開セミナーを開催しています。今回は「環境にやさしい化学」と題して安川直樹先生と小澤智宏先生のお二方にご自身の研究を紹介していただきます。安川先生からは、持続可能なエネルギーである「光」と2010年ノーベル化学賞に受賞した鈴木・宮浦カップリング反応に不可欠な元素である「ホウ素」を活用した省エネルギーな有機合成について、また、小澤先生からは、生物分子の活性中心の状態を分子設計に活かして、生体にとって必須であるが、高活性なため寿命の短い一酸化窒素「NO」に対して高選択性を示すセンサー分子の合成とこのセンサー分子に結合したNOの光脱離について紹介いただく。

主催:生命・応用化学科
共催:工学教育総合センター、生命・物質化学分野同窓会「緑会」
日時:2025 年 6 月 18 日(水)14:40~16:10
場所:4号館1階ホール
参加費:無料
対象:学内外の興味ある方すべて
申込:当日直接参加

講演1 14:40-15:20 (講演時間30分程度、質疑10分程度)
タイトル:可視光を用いた環境に優しい有機合成技術の開発研究
講師:安川 直樹 助教  座長:中村 修一 教授

講演2 15:30-16:10 (講演時間30分程度、質疑10分程度)
タイトル:生物機能を規範とした機能性化合物の開発
講師:小澤 智宏 教授  座長:猪股 智彦 教授

お問合せ先:生命・応用化学科 学科長 青木 純
E-mail: aoki.atsushi@nitech.ac.jp (@を半角に直してください)


可視光を用いた環境に優しい有機合成技術の開発研究

講師:安川 直樹 助教

有機合成とは、医薬品や機能性材料など、私たちの生活を支える様々な化合物を人工的に作り出す技術です。その中でも、省エネルギーな有機合成、特に持続可能な光エネルギーを活用した技術は、グリーンケミストリーの観点から注目を集め、近年急速に発展しています。また、ホウ素(B)は、我々の社会や生活に大きな変革をもたらした「鈴木・宮浦カップリング(2010年ノーベル化学賞)」の重要な原料として不可欠な元素です。本講演では、我々がこれまで取り組んできた「可視光」と「ホウ素」を活用した最先端の研究とその社会的意義について紹介します。

生物機能を規範とした機能性化合物の開発

講師:小澤 智宏 教授

地球環境にやさしい技術開発が盛んになされてきていが、その一環として、生物分子を利用する方法が検討されている。一般的に生物分子は、常温常圧で高選択的に化学反応・分子認識など高い機能を示す。このような生物分子の活性中心の状態を分子設計に活かして、機能性を持った分子を開発することで、低環境負荷型分子合成の構築を目指して研究を進めてきた。本講演では、生体内必須である一酸化窒素分子(NO)に対して高い選択性を示すセンサー分子の構築と、これに対して可視光応答によるNOの脱離機能を付与する研究について紹介したい。